上山張子    

上山張子(かみのやまはりこ)
 種類:紙張り子
 制作地:山形県上山市
 現制作者:木村蔵六(二代目) 「蔵六面工房」
 
 木村蔵六(初代)   (木村栄一)  1950〜2012
 木村蔵六(二代目) (木村菖一郎)  1986〜

 上山は和紙の里であったが、地元に張子づくりはいなかった。そこで上山で1950年生まれの初代木村蔵六(木村栄一)は地元の手漉き和紙を使って1978年(昭和53年)に張子作りを始めた。「蔵六」は幕末の大村益次郎(蔵六)の考えに感銘を受け、さらに「蔵六」には六つの宝を蔵していること、万年生きる吉祥の代表である亀のこともそう呼ぶことから名付けられた。(蔵六面工房HPより)。
 2012年初代が若くして亡くなったあと、二代目蔵六の木村菖一郎が制作を続けている。

 和紙の素材を生かして基本的には本体には彩色していない。蔵六面と呼ばれる和紙の「かわらけ面」など面が多く創られている。立体ものではだるまや招き猫、干支などが創られている。
 招き猫は特大(18cm)、大(11cm)、中(9cm)、小(7cm)とサイズがあるようで、さらに右手招き左手招きとある。基本の模様は黒斑に赤の首たまに金の鈴だが、特大には三毛もあるようだ。ただしあくまで素材を生かすため黒斑の上に黄色が彩色された控えめな彩色となっている。
 初期の頃の面相はもう少しおじさん顔だったようだが、現在のものはそのころとはかなり変わってかわいい顔になっている。
 従来の型にとらわれない自由な発想で制作されているので型も増えているとのこと。招き猫もこれから種類が増えるかもしれない。
 と思っていたら増えていました。招き猫タイプのお面や赤猫、黒猫、白猫、しま猫などかなり種類が増えているようだ。
 現代的な張り子で穏やかな表情が好ましい。

 高さ108mm×横103mm×奥行98mm   首玉は後ろまでは描かれていない
黒い斑点は多い 尻尾は描かれていない
大きさからみて、サイズは大と思われる

高さ108mm×横103mm×奥行98mm

 
 「ぞう六」の裏書きがある  

 もう少し種類を集めてみたいと思っている。


蔵六面工房HP(2019年6月現在)
  蔵六面工房
  蔵六面工房(新)


 参考文献
 招き猫尽くし (荒川千尋・板東寛司、1999 私家版)
 おもちゃ通信200号(平田嘉一、1996 全国郷土玩具友の会近畿支部)