宮島土鈴   

宮島土鈴
 種類:土(土鈴)
 制作地:広島県廿日市市宮島町
 現制作者:竹井奎子(越智陶芸)
   越智宗政((初代)1908−   )・・・・越智アヤノ((2代目)(1915−  )・・・・竹井奎子(3代目)
      ※アヤノは宗政の奥様、竹井奎子はその次女

 京都で陶芸を学んだ越智宗政により昭和10年頃宮島土鈴が創始された。宮島に越智窯を開き宮島焼きとしていろいろな土鈴を制作している。かつては花瓶や茶碗を制作していたが、土鈴制作が中心となる。郷土玩具というよりは宮島土産の民芸品として常に新しい型をおこして制作している。
 招き猫はよく知られた裃を着た型であるが、最近しゃもじを持ったタイプも見られる。他に眠り猫の土鈴もある。
 二代目越智アヤノは宗政の奥様、三代目竹井奎子はその次女にあたる。
 なお最近、越智陶芸「武井正一」さんというお名前を見かける。竹井奎子さんのお子さん?詳細は不明である。
 

 裃招き猫土鈴 大と小
宮島土鈴添付しおり

 この大小の招き猫は宮島の越智陶芸で購入したもの。1997年購入なのですでに越智アヤノの作か?彩色は制作者や時代によって微妙に異なるようである。
宮島名物のしゃもじを抱いた裃猫もできたので追加掲載した。

招き猫(小)  
強面でヒゲはない 着物は茶色
右手挙げ 背中に招福の紋?

顔は強面
青に白い水玉の裃を着て
座って右手で招く
頭に黒い斑

 高さ46mm×横42mm×奥行31mm
底面も塗ってある  

 デザインが似た少し大きめの裃招き猫。

招き猫(大)
 裃は小と同じ 着物は黄色地になる
右手挙げ 背中に福の紋?
よく狸といわれる顔つき
頭に黒い斑
ヒゲがある

高さ68mm×横63mm×奥行45mm
鈴口  

 上の大小の裃招きに比べてしゃもじ持ちは比較的新しい型ではないかと思われる。

じゃもじ持ち裃招き猫   
宮島のしゃもじを抱える 黄色の着物
右手挙げ {福」の紋?

他の裃猫に比べるとやや色白で頭も大きめ
竹井さんの作と思われる
作者による違いか、
制作年代による違いかは不明


高さ68mm×横60mm×奥行47mm

鈴口

 おそらく宮島土鈴の招き猫はこの3種類のはず。

裃招き猫三兄弟というよりは招き猫家族?
しゃもじ持ちはやや色白

 あまり紹介されることはないが、宮島土鈴には眠り猫もある。これはいつどこで購入したか記録はないが宮島土鈴らしさがよく出ている。

宮島土鈴の眠り猫  
リアル感のある猫 尻尾は短め
前足は香箱座り 黒い斑が入る

宮島土鈴の招き猫はよく紹介されるが
眠り猫はほとんど紹介されたことがない
ちょうどいいチャンスなので画像とともに紹介する
全体の色は招き猫の顔と同様に
ごく薄い亜麻色のような色をしている
塗りむら見える下地と同じ彩色が古色を醸し出す
白猫に黒い斑が入る
招き猫に比べ、リアルな感じの猫である

高さ48mm×横92mm×奥行48mm
鈴口

 宮島土鈴は実に多くの種類が存在する。土鈴を集める趣味は持ち合わせていないが干支ものということで兔の土鈴も購入した。

宮島土鈴
招福うさぎ(特大) けっこう怖い顔をしている
招福うさぎ(特大)

紅白の鏡餅に乗った白ウサギ
おそらく干支に合わせて制作されたものと思われる
強面だが招き猫と同じで見ていると愛嬌がある

宮島土鈴としては比較的大きな作品
宮島土鈴の干支もの
令和5年(2023)土鈴

おみやげ処
「ふなつき」HPより 





     瀬戸内・広島おみやげガイド  宮島「越智陶芸」の土鈴
             



参考文献
招き猫尽くし (荒川千尋・板東寛司、1999 私家版)
全国郷土玩具ガイド1(畑野栄三、1992 婦女界出版社)
おもちゃ通信200号(平田嘉一、1996 全国郷土玩具友の会近畿支部)