相模土鈴
 種類:土人形
 制作地:神奈川県鎌倉市
 現制作者:相沢伊寛(ただひろ)

   相沢伊寛(ただひろ)(1930−     )。父は佐野土鈴の相沢市太郎。美大を卒業後1955年に藤沢に窯を開き、鎌倉の歴史や伝説に基づく相模土鈴を作成する。江ノ電土鈴や小田急土鈴など地域に根ざしたユニークなものもある。
 平成24年(2012年)に龍頭鈴が年賀切手として採用されている。 タウンニュース藤沢版
 情報としては未確認だが、閉館した日本土鈴館によれば伊寛さんが亡くなられて廃絶したようである。 日本土鈴館おもちゃばこ

 以前はこの招き猫一種であったようだが、その後右手招きや手を高く上げた招き猫、正面向きの小さな招き猫などの土鈴も制作された。また丸目でないものや黒猫も制作された。

丸い目 左手挙げ
首玉は二重 赤の鈴紐

左手挙げの横座り今戸タイプ
白猫に茶のぼかしの黒い斑が入る
目は黄色で見開き黒の瞳が入る
尻尾はあるが彩色はない
赤と黄緑の首玉に黄色い鈴?がつく
鈴には「幸福」の文字
爪・耳・口は赤、鼻は水色で描かれている
鈴紐は赤の組紐が使われている

高さ68mm×横50mm×奥行35mm

佐野土鈴と同じ型のようだが
型抜きの際の焼き締めで小ぶりになっていると思われる
佐野土鈴と同じ彩色の首玉もある

下は同じ猫の黒猫
斑は白猫と同じ2つだが
一つはハート型になっている
意図的なものかは不明
伊寛作  
佐野土鈴(左)と相模土鈴(右)


首玉の鈴には「幸」の文字が入るが
「幸福」「招福」「福」などいろいろなタイプがある
高さ52mm×横33mm×奥行32mm
小型の土鈴
黒、金、白で作りは基本的には同じ
 
 
 
裏には作者の
伊寛あるいは伊寛作の判がある


いろいろな鈴の文字
鈴に「招福」の小型招き猫土鈴 鈴に「福」の横座り招き猫


相模土鈴のトラ
高さ55mm×横70mm×奥行35mm  文字は旧所有者による 


50円切手に採用された相模土鈴の「頭竜」
運気の上昇を願った玉を口にくわえている
2011年発行

右は土佐和紙雁皮張り子
平成24年(2012)用年賀切手  





    相模土鈴 特定非営利活動法人やまゆり
    鈴を振りふり 「神奈川の土鈴」 渡辺石芳さん(現在は転居)と相沢伊寛さんの土鈴が紹介されています.。
                日本土鈴館は2021年末に閉館していますが情報は健在です。
    相沢伊寛(ただひろ)さん タウンニュース藤沢版(平成24年年賀切手に採用された当時の記事)




参考文献
招き猫尽くし (荒川千尋・板東寛司、1999 私家版)
全国郷土玩具ガイド2(畑野栄三、1992 婦女界出版社)
おもちゃ通信200号(平田嘉一、1996 全国郷土玩具友の会近畿支部)
招き猫博覧会(荒川千尋・板東寛二、2001 白石書店)