常滑の猫の代用鈴       

常滑焼
 種類:土人形
 制作地:愛知県常滑市
 現制作者:
 
 郷土玩具とは異なるが資料として残すことにした。
 戦時中物資が不足していたころ製作された金属の鈴の代用品。貨幣や爆弾までもが陶製での製作が試みられた。ありとあらゆる日用品が代用品で製作された戦時中の統制陶器や代用陶器であった。鈴までも代用品があったようだ。
 もともと郷土玩具として土鈴があるため鈴の代用品があったことは容易に想像できる。小型の土鈴は美江寺の縁起物など全国でも多く見受けられる。

 戦時中の代用陶器に関しての資料はあるがほとんどが日用品に関してで、このような金属の鈴の代用品に関してはまだ見つけていない。常滑周辺の資料館などを訪問して調べてみたいと思っている。

<参考>

美江寺の福集め
猫の鈴はこれより少し小型
日本土鈴館 遠山コレクションより  


常滑焼きの猫の代用鈴  
 
個々に色合いが異なる 
顔は詳細に表現されている首玉に鈴 左右の耳の向きは微妙に異なる
小さいが2枚合わせであることがわかる 首玉の結び目
古い木箱に入って多数見つかったという
薄手でかなりかたく焼き締められている
土ではなく陶土を使っていると思われる
個体によって色合いが異なり、彩色はされていない
2枚型で製作されているようで
小さいが猫の顔が詳細に表現されている

鈴口の両端は丸く穴があるが
中の土玉が小さく振ってもあまり大きな音は出ない

高さ26mm×横21mm×奥行21mm
質量6g
鈴口 丸い部分は首玉の鈴




参考文献(資料捜索中)
  岡崎むかし館 戦時中の代用品
  常滑市民俗資料館友の会だより第5号「戦争と常滑焼き」(渡辺栄造、1989 常滑市民俗資料館友の会)

 なおレファレンス協同データベースの事例として下記の質問に対して
 愛知県芸術文化センター愛知県図書館の事例が掲載されている 統制陶器や代用陶器
 質問「太平洋戦争中の愛知県で製造された陶磁器製品、特に「統制陶器」や「代用陶器」と呼ばれる製品の製造やその制度について書かれた文献資料はないか?