招き猫や猫の郷土人形の中にはどこで制作されたかよくわからないものも多い。すでに廃絶してしまった、生産数が少なかった、類似した猫が多いなどいろいろ理由はある。また比較的新しい猫でもあまり市場に出なかったものや販売経路が限られていたものもある。
「ねこれくと」ではかつて「ねこれくと写真館」(現在も存在、最終更新は2008年)で「新入り招き猫」や「おたずね招き猫」として公開し解決したものも多い。その反面いまだにどのような招き猫なのか解決しないものも多数ある。そこで招き猫・猫図鑑にも産地不明猫がいくつかあるが、今回「産地不明の猫たち」としてまとめて掲載することにした。前記のまだ解決していない猫も画像を新しくしてアップする予定だ。後半ではネット上で集めた画像も加えるつもりである(著作権上の問題が発生するが)。
ぜひご教示願いたい。
不明猫4 | 座り猫 |
不明猫5 | 八橋土人形? |
不明猫6 | 静岡あたり?の土人形 |
不明猫7 | |
不明猫8 | |
不明猫9 |
不明4 座り猫
種類:土人形
制作地:
現制作者:
伏見系でよく見かける座り猫である。当初三次人形かと思い購入したが三次の猫に見られる顔の黒い班がない。持ったときの重さもひじょうに軽い。
二重の首玉に豪華な前垂れ | 耳の後ろは黒 |
赤い首玉以外、背面の彩色なし | |
継ぎ目を和紙で補強 | 赤・群青・緑の前垂れ |
土人形の座り猫 耳の中は赤、耳の後ろは黒 目は黄色で黒い瞳 鼻は黒、口は赤で描かれる 頭頂部、尻、前垂れ付近に黒い斑 尻尾は黄色で黒の虎柄 爪は赤で描かれる 首玉は赤よ黄色の二重で 鈴が付くが塗り分けられていない 赤・群青・緑の豪華な前垂れが付く 継ぎ目を和紙で補強している 高さ125mm×横135mm×奥行71mm 質量145g |
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使われている土はかなり白い |
不明5
種類:
制作地:
現制作者:
八橋人形の最後に参考として掲載した招き猫、およびねこれくと写真館の再録。
酒田土人形?骨董屋は酒田といっていたが、詳細不明の招き猫。
底のつくりは八橋に似るが土は荒く石英質と解説を加えた。
断定的なことはいえないが、八橋土人形の可能性が高いと思われる。
赤い首玉に金の鈴 | 左手挙げ |
高さ65mm×横35mm×奥行35mm 赤い首ひもは後ろで結ばれ、前に金色の鈴がついている 目は黄色で中央に針状の瞳 耳の中央に小さな穴があけてある 底はふさがれているが、八橋土人形のようにへこんでおり、 串を刺した穴があいている まゆ毛やひげはひじょうに薄い黒で放射状に描かれている |
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耳の中は赤で耳から後頭部に向けて黒く彩色 額の部分の黒が少しのびているのが特徴 |
以下4枚の画像は掲載許可を得ていません。ご連絡いただければ掲載許可の申請をいたします | |
かなり前にネットから蒐集した画像 照明の関係で色合いは異なるが同じ猫である 作りもまったく同じ 秋田県の骨董業者の初だし品 高さ約6cm |
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2体の目の描き方が異なるが他の特徴は同じ 鼻の穴がある |
骨董市で入手した静岡あたりから出た土人形の招き猫。奉納品?それにしては赤の退色がない。
左手挙げ | 赤い首玉に黄色の鈴 |
肩甲骨がしっかり表現されている | |
高さ66mm×横40mm×奥行40mm 左手挙げで赤の首玉に黄色の鈴 耳の内側は赤で彩色 目は黄色で瞳は墨で一本線 正面に3個所黒の斑 黒の彩色は墨と思われる 尻尾はあるが彩色はない 裏は首玉以外彩色をしていない 底には彩色時に串を挿した穴 骨董屋の話しでは静岡あたりで出たもの 3体出品されていたものの1体 神社などで奉納された猫かもしれない |
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特徴のある目の描き方 猫の特徴である発達した肩甲骨を 表現した土人形は他に記憶がない |
この3点の招き猫は 比較用の500円硬貨と 比べてもかなり小さいことがわかる はっきりしたことはわからないが いわゆる郷土人形の土人形ではなく 浅草の助六や京都の小物として 販売されたような 人形ではないかと思われる したがって、○○製あるいは○○人形と 特定するのは難しいだろう しかし小さいながらも 郷土人形に匹敵する、 招き猫ではある |
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不明猫左から7〜9 |
今戸タイプの横向き座り招き猫 | 左手挙げ |
首玉に鈴が付く | 尻尾はないように見える |
横座りタイプの左手挙げ招き猫 彩色はすべて失われてしまっている 黒く見えているのは斑の跡か? (あるいは素焼き状態だったのか?) 高さ40mm×横28mm×奥行16mm |
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空気抜きの穴はない |
黒と茶の斑の猫 | 左手挙げで尻尾は長い |
赤い首玉に金の鈴 | |
左手挙げの招き猫 赤い首玉に金の鈴が付く 斑の模様は黒が主体だが 茶色の部分もありいわゆる三毛猫 黄色い丸目に黒い瞳 ヒゲはあるが眉毛はない 首玉に付く鈴はしっかり 鈴の接合部も再現されている 胸の部分に模様か文字の刻印があるが 何であるかは不明 かつて小判乗りや枡乗りなどの 小品招き猫が制作されたので 底の縁に青い顔料が残っていることから 何かの上に乗っていたのかもしれない 高さ42mm×横19mm×奥行22mm |
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底に大きめの穴 青い色が残る | |
小さいながらも個性的な顔 | 鈴もしっかり作り込んである 胸の模様(文字?)は不明 |
首玉の赤はかなり剥離している 2個の突起は首玉の鈴か? | 左手挙げ |
耳と首玉以外に彩色はない | 尻尾はない |
左手挙げの招き猫彩色はかなり失われている 下地の胡粉には雲母が混ざる 赤い耳の内側に赤い首玉 正面の2個の突起は首玉に付いた鈴と思われる 高さ45mm×横22mm×奥行20mm |
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底は平坦 |