=^・^=江ノ電招き猫のふるさと 萩工房を訪ねる 2002年6月15日
ドールズアンリミテッド
<注>萩工房は「ドールズアンリミテッド」と改名して営業していると堀井さんご本人から連絡がありました。 このレポート中の「萩工房」はすべて『ドールズアンリミテッド』と読み替えて下さい。 場所は以前と同じ〒248-0023 神奈川県鎌倉市極楽寺1-2-9 で江ノ電極楽寺前です。 ホームページも http://doll-unlimited.blogspot.com/ と変更になっています。 2012年2月24日 (加筆) |
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以前「ねこま倶楽部」の掲示板に江ノ電招き猫について話題がありました。=^・^=も時々鎌倉へはいくのですが江ノ電招きについてはまったく知りませんでした。当時早速インターネットで検索してみるとありました。みどり色で江ノ電のロゴの入った招き猫が・・・。
今年の3月に仕事で鎌倉にいったときはすっかりそのことは忘れていました。5月に仕事でいったときはちょっと気になったので時間をとって鎌倉駅の構内の江ノ電ショップを見に行きました。そして今回もう一度、鎌倉に別の用事があったので極楽寺にある江ノ電招きの萩工房を訪ねてみることにしました。
梅雨の曇り空でしたがちょうど紫陽花の季節でもあり、土曜の鎌倉は混雑していました。場所はチェックしてあったので江ノ電の極楽寺で下車しすぐ見つけることができました。仕事柄鎌倉方面には時々来ることがあるのですが、極楽寺は初めてでした。まずはゆっくりと極楽寺の境内を散策し(無料!)、いよいよ工房の見学です。
もっとも工房といっても自宅の一間を改造し、ちょうど社務所の授与所といった雰囲気で、店内に入るといった造りにはなっていません。今回うかがったときには人形師の堀井孝雄さんが奥様が横で見守る中、招き猫の制作をしていました。
工房には「散歩の達人」のポスターが貼ってあります。いろいろお話を伺っていると何となく思い出してきました。確かに「散歩の達人」で紹介されていたのを見た記憶があるのです。その時は単に招き猫のぬいぐるみ程度にしか思っていなかったのですが、今回あらためてお話を伺いながら招き猫を見ているとだんだんこの猫に惹かれてきました。
鎌倉駅構内の江ノ電ショップ | 客を呼ぶ「江ノ電招き」 | ポスターにも登場 |
萩工房 | 奥で制作する堀井孝雄さん | 工房で招く招き猫群 |
1999年の散歩の達人 「湘南・江ノ電沿線」特集でも 紹介され、 ポスターに載った。 |
まず萩工房の招き猫は「大入り招き」が先にあったということです。この図柄は元々はもう廃版になってしまった古い手ぬぐいの型でそれを原型に作られていると言うことです。色合いは下の写真の「大入り招き」の右のものがオリジナルに近いそうです。あの「江ノ電招き」は最近江ノ電の商品開発の中で生まれた作品のようで、江ノ電のロゴも承諾済みということです。「大入り招き」の方は何軒か扱っている店があるようですが、「江ノ電招き」は工房と江ノ電ショップの限定品のようです。
またそれ以外にも着物や羽織などの時代布使った作品があります。こちらは1つの着物や服からいくつも型がとれないのでまさに限定品です。昔の刺繍の入ったウェディングドレスで制作したものや九谷焼の盛りを参考にしたきらびやかな招き猫も制作したことがあるということです。実は今回うかがったとき、漆で染めた糸を織り込んだ大正時代の羽織の布で制作された、なかなか渋い招き猫がありました。まだ制作途中でしたが、予約してしまいました。
人形師の堀井さんはいろいろな職業を経験されているようですが、これらの招き猫の原点は何と渋谷にあったようです。当時渋谷でブティックの店長をしていた頃、近くに住む高齢の女性がもう「生きた猫は飼えないので猫をつくってほしい」と頼まれたのが原点のようです。それを発端に仕事柄生地に関しては専門ですので、今も使用している「大入り」の型の使用許可を得たりしながら現在に至っているようです。
どうしても招き猫ファンとしては招き猫に目がいってしまいますが、創作人形師の肩書き通りいろいろな人形の制作に取り組んでます。特に和紙を使った人形はまさに工芸品といった感じです。
もし鎌倉まで江ノ電招きを買いに行かれる方はぜひ工房を訪問して堀井さんとのお話しを楽しむことをお勧めします。(ご迷惑かもしれませんが・・・)。
いろいろなイベントで実演をやることもあるので、そのようなときはお話しのチャンスかも。
ところで「江ノ電招き」や「大入り招き」はいいとして、時代布などでできた招き猫は何と呼べばよいのでしょう。そう言えば萩工房の布製人形の総称は何というのでしょうか。土人形や張り子なら鎌倉土人形とか鎌倉張り子(これは実際にある!)と呼ぶのでしょうが。
萩工房の招き猫達
江ノ電招き | 大入り招き | 時代布を使った招き猫 |
こんな作品もあります
萩工房では好みの布で招き猫を作ってくれるようです。人形師による思い出の布で作られた一点物の招き猫はあなたの思い出をさらに深いものにするかもしれません。
萩工房の作品は下記の萩工房のホームページで詳しく見られます。和紙人形や九谷タイプの招き猫もあります。
萩工房 http://homepage3.nifty.com/3737/ (リンク切れ)
現在はこちら http://doll-unlimited.blogspot.com/
萩工房 堀井孝雄 248−0023 鎌倉市極楽寺1−2−9
=^・^=萩工房へ招き猫を受け取りに行く 2003年1月11日
昨年の6月に制作を注文、と言うよりは制作中のものにつばを付けてきた感の江ノ電招きですが、とっくにできているのになかなか鎌倉まで行く機会がなく半年が過ぎてしまいました。3連休でもあるのでちょっと遅い鶴岡八幡宮への初詣も兼ねて受け取りに行って来ました。13時から始まる東京ビックサイトでの骨董市に寄り道してからなので、鎌倉の極楽寺へ着いたのは日没近くになってしまいました。
工房を覗くと棚の上に置いてある注文品がすぐに目に入ってきました。残念ながら堀井孝雄さんは不在でしたが、奥様?に対応していただきました。なかなか立派な招き猫に仕上がりました。
大きな画像を見る | 敬礼ではありません | 布の拡大 |
漆を使った古布の招き猫はしっとり落ち着いた感じですが、一見すると地味な感じに見えてしまうかもしれません。きっと歴代江ノ電招きの中でも地味な部類でしょう。近づいてよく見ないとわからない豪華さこれがこの招き猫の持ち味です。
店内(工房)の中を見渡しましたが、残念ながら今は古布のものはあまりないようです。通販でも販売しているようですが、江ノ電招きや大入り招きなどの定番もので、やはり古布などでお気に入りを作ろうとすれば、自分で布を持っていって作ってもらうのがよさそうです。
自筆の袋 | もらった手ぬぐい |
手書きの袋に入れてもらい、猫柄の手ぬぐいをもらいました。手ぬぐい作者の「桃」とは誰でしょう。もう少しゆっくりしたかったのですが、まだ行くところもあり、あらためて訪問するということで萩工房を後にしました。
鎌倉で招き猫のお世話になっている方に年始の挨拶をし、まだけっこうこの時期この時間でも人出のある鶴ヶ岡八幡宮へお参りしてきました。
こんどはぜひ骨董市で気に入った古布を手に入れて、まさに一点ものの招き猫を作ってもらおうと思いながら一路家路へと向かう=^・^=でした。
※なお、萩工房の招き猫には「江ノ電招き猫」や「大入り招き猫」といった通称はありますが、これらの古布を使った招き猫達には特に名称がないということです。とりあえずこの欄では「江ノ電招き猫」という名称を便宜上使っています。