2 河村目呂二 ライブラリィ (セミーノ デザイン ホームページ内)の紹介
ちょっと仕事で忙しくご無沙汰している内に大変な貴重な資料を見ることができるサイトが出てきました。目呂二の関係者による「河村目呂二 ライブラリィ」です。現在も木通庵に残されている貴重な目呂二の資料を見ることができます。目呂二の関係者でなければできない資料を体系的に見られます。あらためて申しませんが、実際に見ていただければ、この「目呂二ミュージアム」(リンク切れ)の資料の出所もわかると思います。
大正モダンを駆け抜け昭和を美しく生きた“スローライフ・アーティスト”河村目呂二の作品と人物像をたどります |
とあるように単なる猫好きとしての目呂二像ではなく、時代の流れの中で幅広い分野の多くの人たちと親交を持って生きた目呂二の姿をかいま見ることができます。
ライブラリィのトップページにある言葉を引用させていただくと
現在では、 “スローライフ” の名のもとに、自然に寄り添い、自然とともに生きる古き善き “日本の暮らし” が、さかんに見直されておりますが、それはまさに、戦後、目呂二が軽井沢で営んだ生活そのものなのです。 |
とあり、目呂二の生き方はこのホームページの管理者の方の仕事にも通じている点がおもしろいと思います。
目呂二自身も几帳面に記録をとっていたようですし、すの子夫人もその資料を丁寧に整理していたと聞きます。それがあったからこそ本来なら埋もれて散逸してしまうような資料まで今の世に残ったのだと思います。このライブラリィからは、『ねこれくと』のように招き猫中心の構成ではなく、多方面にわたる目呂二の活動をうかがい知ることができます。
『彫塑・彫刻』では「目呂二を知る本」の表紙になっている作品も見ることができます。特に「目呂二抄」の表紙は猫であることはわかるのですが、それ以外正体がわからない作品でした。今回ライブラリィで初めてその作品がどのようなものかわかりました(それでも「無題」で題名がよくわからないようですが)。目呂二がお気に入りのこの猫の頭像はいつも傍らに置いていたということですので、表紙を飾っている理由がわかるような気がします。
市販されたときは木版画になっていた新作小唄の表紙絵も興味を惹かれます。丹念に見ていくといろいろな発見がありそうです。
残された資料はまだ調査が進行中のようですので、これからまた新たな発見があるかも知れません。
とりあえず各項目に直接行けるようにリンクを張ってありますが、トップページからじっくり見てほしいと思います。
内容は下記のような構成となっています。
セミ−ノ デザイン TOP | ||
河村目呂二 ライブラリィ | ||
1 | 目呂二の生涯 | |
2 | 大正目呂二人形 | 大正ロマンの目呂二人形達 |
3 | まねき猫 | 目呂二作の招き猫と猫たち |
4 | グラフィック・イラスト | デザイナーとしての仕事 |
5 | 彫塑・彫刻 | 塑像・彫刻、構造社での創作など |
6 | 我楽他宗 | 当代きっての趣味人たち |
7 | JAZOO MANIA | 自転車マニアの会 |
8 | 俳画 | 自由律俳句とスケッチ |
9 | 画帳いろいろ | 「芽吹く追分」「閉停籠独誌(上)(下)」 「きのこ帖」「千口」 |
10 | 「目呂二抄」より |
また、セミーノデザインのブログ(セミーノカフェ)でも時々目呂二の話題が掲載され、貴重な画像を見ることができます。
その他ここには掲載していませんが、目呂二展(2009年)や新たな展示会(2010年)の進行状況などもわかります。
セミーノ デザイン ブログより | ||
セミーノカフェ(ブログ) TOP | ||
TOPページからカテゴリーで一括検索もできます(重くなければ一つずつゆっくり見てください) | ||
1 | 『 大正東京、復興へ。 』 | 関東大震災スケッチおよび大正風景風俗 |
2 | 河村目呂二ライブラリィ | 上記の河村目呂二ライブラリィ開館案内 |
3 | 『 足で歩るく事をヤメませう 』 | 第5回構造社展(昭和6年) パンフレットから自転車に関してのエッセイ |
4 | 『猫と私』 | 第8回構造社展(昭和8年) パンフレットから猫に関してのエッセイ |
5 | カワムラ スノコ の 『 変わり雛 』 | 目呂二夫人の河村スノ子制作の変わり雛 |
6 | 目呂二のご当地スイーツ録 『 千 口 』 より | 目呂二のお菓子の記録帳からの話題 |
7 | 子規庵・鼠骨 と 河村目呂二 | 子規庵の再建に晩年を捧げた寒川鼠骨(さむかわ そこつ)と目呂二 |
8 | 『河村目呂二の世界』展はじまります | 軽井沢観光会館で開催される『河村目呂二の世界』 |
すでにかなり前にサーバーの移動により上記のリンク先は切れています。とりあえず過去の記録を残すために項目だけは残しておきます。
現在のライブラリィは下のリンクから入ってください。(2022年10月)
4 目呂二ライブラリィ
現在はサーバーが変更になったようで、すべてリンク切れで見ることができません。しかし『目呂二ライブラリィ』として継続されています。
目呂二ライブラリィ・トップのみリンクを張りますのでそちらから入ってください。それぞれの項目に関してはリンクは貼っていません。
(2022年10月)
目呂二ライブラリィTOP | |||
大分類 | 項目 | 内容 | |
目呂二とは | 目呂二の生涯 | ||
お知らせ | |||
資料室 | 招き猫 | 目呂二作の招き猫と猫たち | |
猫珍奇林 | 猫珍奇林の号 | ||
あいそめ屋 | あいそめ屋の目呂二人形 | ||
九美洞図案社 | デザイナーとしての目呂二 | ||
構造社 | 美術団体「構造社」の目呂二 | ||
我楽多宗 | 当代きっての趣味人たち | ||
JAZZ MANIA | 自転車マニアの会 | ||
俳画 | 龍興としての自由律俳句とスケッチ | ||
画帳いろいろ | 「きのこ帖」「芽吹く追分」「千口」 | ||
すの子の世界 | すの子人形など | ||
大正風俗スケッチ | |||
パブリシティ | |||
企画展レポート | |||
グッズ紹介 | |||
ことのは | 『おもいで草々』 (貴重な話題が出てくる!) | ||
リンク集 | |||
お問い合わせ |
インスタグラム 『小灯_kotoboshi』
インスタグラム『shumaitan』 河村目呂二のひ孫の内山舞さんのインスタグラム。上記『小灯』以上に目呂二に関する画像が多い
3 目呂二を知る本
目呂二に関する書籍はひじょうに少ないようです。雑誌などに記事として取り上げられたり、執筆を依頼されたりしても、本人の著作となる本はなかったのではないでしょうか。下表の1と2も目呂二の死後に残された資料をもとに出版されたものです。山田賢二氏の豆本2冊は内容的には似た部分が多いのですが、それぞれ合わせ読むことによって不足している部分を補うことができます。どれも限定本でそれほど発行部数は多くはありません。
これ以外にも地元のタウン誌で目呂二の特集をしたりしたことがあるようですが、年数もかなりたっており、見つけるのは難しいかもしれません。
1 | 目呂二抄 | 河村目呂二(1974)アポロン社 | 500部限定 随筆とスケッチ(モノクロ) |
2 | 句集 自画像 | 河村目呂二(1977)アポロン社 | 200部限定 |
3 | 猫の目呂二 その時代 | 山田賢二(1984) | 名古屋豆本第90集 限定300部 |
4 | 目呂二哀愁 | 山田賢二(1991) | 緑の笛豆本第269号 限定250部 |
5 | ねこの先生 河村目呂二 | 荒川千尋・板東寛司(2010) | 有限会社風呂猫 |
6 | 目呂二くさぐさ | 内山舞・内山朋彦(2022) | 目呂二ライブラリィ |
目呂二抄 | 猫の目呂二 その時代 | 目呂二哀愁 |
ねこの先生 河村目呂二 | 目呂二くさぐさ |
5 | 河村 目呂二 | 河村目呂二遺作展実行委員会編(1977) | 昭和52年9月17日〜19日に大垣市文化会館で開催された遺作展の図録 |
6 | 郷土が生んだ異色の芸術家 河村目呂二を偲んで(1) | 美濃民俗464号(清水たず子2006.1) | |
7 | 郷土が生んだ異色の芸術家 河村目呂二を偲んで(2) | 美濃民俗465号(清水たず子2006.2) | |
8 | 郷土が生んだ異色の芸術家 河村目呂二を偲んで(3) | 美濃民俗466号(清水たず子2006.3) | |
9 | 河村目呂二を偲んで(4)多彩な芸術家の生涯(その1) | 美濃民俗467号(山田賢二2006.4) | |
10 | 河村目呂二を偲んで(5)多彩な芸術家の生涯(その2) | 美濃民俗468号(山田賢二2006.5) | |
11 | 河村目呂二を偲んで(6)多彩な芸術家の生涯(その3) | 美濃民俗469号(山田賢二2006.6) | |
12 | 西濃における戌年生まれの有名人 | 美濃の文化103号(太田三郎2006.3) | |
13 | 特集 目呂二の世界 | 西美濃わが街71号(1983) | 大自然児 河村目呂二さん(中川 進) 目呂二哀歓(写真構成) 河村目呂二の思い出草(山田賢二) |
14 | 河村目呂二余滴 | 西美濃わが街339号(2005.8) | |
15 | 目呂二の墓 | 西美濃わが街356号(2007.1) | |
16 | 目呂二哀愁・彫刻家河村目呂二の生涯 | 郷土研究岐阜52号(山田賢二1989.3) | |
17 | 郷土歴史人物事典 | 吉岡勲 編 第一法規出版 1980 | 17・18共に目呂二抄を元にしたもの |
18 | 岐阜県人 | 吉岡勲 新人物往来社 1977 |
河村目呂二遺作展(図録) | 月刊西美濃わが街71号 |
19 | 構造社 昭和初期彫刻の鬼才たち | 構造社展図録(2005) | 2005〜2006年に全国4カ所で開催された 「構造社展」の図録 |
20 | 昭和初期彫刻の鬼才たち 寺原助之丞と構造社 | (財)松戸市文化振興財団(2006) | 2006年に松戸市立博物館で開催された 展示会パンフレット |
構造社展図録は松戸市教育委員会社会教育課美術館準備室に僅部在庫がある。(2010年2月現在)。3500円
寺原助之丞と構造社は同じく松戸市教育委員会社会教育課美術館準備室で入手可能。無料
構造社(図録) | 寺原助之丞と構造社 |