ねこれくと写真館 おたずね招き猫2

 我が家の招き猫たちから正体不明の招き猫たちを紹介します。「これ知っている!」という方はぜひ教えてください。

No.6  須磨張り子

    

左  正面
中  裏面
右  底の墨書き
 No.6

プロフィール
 @大きさは45mm(横)×32mm(奥行)×51mm(高さ)
 A張り子
 B裏の彩色なし
 C底に須磨の墨書き

 98年にプランタン銀座でおこなわれた猫展で購入したものです。これがいちばん小型で兵庫県の須磨で製作されていることは間違いないと思います。うかつにも制作者の名前も出店している店の名前も控えておくのを忘れてしまいました。作者を教えてください。

解決
捜索願いを出したころはインターネットで調べてもわからなかったのですが、もしかしてと思いしばらくぶりに検索してみると一発でヒットしました。そのようなわけであっけなく解決しました。
 この須磨張り子は吉岡武徳(よしおかたけのり)さんという1942年生まれの作家が製作されている創作張り子で、1985年ころから製作を始めたそうです。六甲山麓の須磨は多くの史跡の残る場所で、その昔話を「須磨物語」として、張り子人形で表現したところから「須磨張り子」と名づけられたそうです。「須磨張り子」は創作張り子ですが、和紙の特性を生かして、伝統的な手法を受け継いで製作しているということです。作品は、干支.雛.五月人形.招き猫などいろいろな方面にわたり種類も多いようです。
                   2002年3月7日


No.7  伊賀焼き土鈴

特大 いちばん大きなタイプでも
高さ8〜9cmしかない
 No.7

プロフィール
 @さまざま
 A土人形(土鈴)
 Bすべて後ろに取っ手があり、そこに赤のひもが付いている
 
小 高さ3〜4cmのひじょうに
小型の土鈴

伊賀焼き招き猫土鈴
 伊賀というと篠田正隆さんの伊賀土鈴を思い出しますが、この招き猫は伊賀土鈴とはかたちや絵付けはかなり違います。はたしてこの猫の生い立ちはどのようなものなのでしょうか。店の話しでは伊賀焼きという以外詳しいことはわかりませんでした。以前、三重の瓦土人形の招き猫土鈴を同店から入手しているのでそのあたりの作品かもしれません。ご存知の方教えてください。
 この猫は小(3〜4cmで400円)・中・大・特大(8.5cm前後で1000円)の4種類あり、1匹1匹かたちも顔つきも違うので選ぶときの楽しさもあります。数はもうかなり少なくなってきたようです(2000年11月現在ありません)。 店は総武線浅草橋駅前にある招き猫ファンにはちょっと知られている陶器店の「めざき」です。その他にも招き猫ものがあるので招き猫ファン必見の店です。ただし、日曜は休店です。
 なお、浅草橋まで出向いたら浅草橋から江戸通りをちょっと浅草方面に行ったところにある蔵前人形店も招き猫をまとめておいてあるので、のぞいていくとよいでしょう。近所の小売店をこまめに歩くと結構招き猫グッズが見つかることがある。


No.8 背中に丸東は何の印

 郷土玩具に制作者の銘が入っているものを除けば量産品の招き猫に製造元が入っていることは稀です。いまでも常滑の「王様印」などごく一部を除けばほとんどが無印です。しかしかつて三河方面で量産されたと思われる小型の招き猫の一部には背面に「東」の文字に三重丸の製造元商標?と思われる印が付いています。
 まわりの三重の円はとぎれている部分があります。「東海○○」などという製陶所で作っていたのでしょうか。骨董市に出ている招き猫の背中にも時々見られるのでかなりの数が生産されていたと思われます。私が見た限りでは金猫が多かったように思います。ただしもう一つ神社などの授与品という線も捨て切れません。
 いったいこの商標(マーク)は何なのでしょうか。
黒猫は比較的稀 これが問題の「丸東」
解決  HPを見たNoritakeさんという方から「東の印は昭和30年代に東海銀行が記念品として頒布した貯金箱だそうです。私も一体、骨董市で購入しました。そのおり、店主が偶然、東海銀行の方から聞いたそうです。東海銀行は現在UFJ銀行です。」というメールが届きました。銀行に招き猫の貯金玉なら絶好の組み合わせです。お得意さまにさぞかし大量に配られたのでしょう。うかつにも東海銀行とは気が付きませんでした。まわりの三重丸もなにか東海銀行と関係があるのでしょうか。

                                                         2002年5月29日



NO.9 不明小型招き猫

     2002年3月の平和島骨董まつりで入手した小型の招き猫です。いっしょに古賀の黒猫で出ていたので古賀の手びねりかとも思いました(そんな招き猫は聞いたことがありませんが)が、同じ所から出たものではないということでどうも古賀ではないようです。
 全身黒で高さは45mmあります。顔つきはやはり古賀の猫を思い出してしまいます。しかし土は現在の古賀に比べて荒いようです。目、ヒゲ、眉共に白で口と爪が赤です。首に巻いている首玉は金です。尻尾はなく、彩色の時串に刺す穴も底部にありません。
 これを見ているとまだまだ知られていない招き猫が全国にたくさんありそうに思えてきます。
 ひじょうに単純なつくり  裏面には何もない

NO.10 謎の親子招き猫

 2006年にネットオークションで入手。犬ということだったがやはり猫に見える。画像ではわかりにくいが親子共に左手で招いている。仕草や模様、豪華な首玉などからみてやはり猫だと思うのだが。出品者は「やっぱ、犬でしょ」とこだわり続けていた。
 他でこのような親子ネコの招き猫を見たことがない。はたしてどこの招き猫だろうか。土人形で彩色が剥がれているところはすべて彩色前に和紙で補強した形跡があり、その和紙ごと剥がれたようだ。また白地にはキラが混ぜ込んであり、光沢がある。首玉の前垂れは元は青系統に塗られていたことがかすかにわかる。目はほとんど剥離してしまっているが、下地(色は不明)の上に黒で瞳を入れているようである。何とも愛すべき親子招き猫だが、正体はまったくわからない。

  大きさ 高さ120mm×奥行き62mm×横105mm
足下に子ネコ

NO.11 不明小型招き猫 (2008年9月15日)
 久しぶりの捜索願いです。ネットオークションでコレクターの方からの落札品ですが、左側のものはどこかで見たような顔つきをしています。
 2体そろっての捜索です。 はてさてどこの招き猫でしょうか。

                     

その1


茶色と黒の斑点が入った左手上げの三毛猫。控えめに手は胸元で招いている。小型の割にかなり細部まで描き込まれている。
底には彩色の際、串を刺したと思われる穴がある。
胸元にある鈴の下にある模様は何だろうか?初めて見る模様で正体不明。
写真にとって気がついたが底部の周辺に青い絵の具が付いている。何かの台座に付いていたのだろうか。ミニチュアものの一部かもしれない。

            大きさ 高さ42mm×奥行き23mm×横19mm
  


その2


面相は落ちてなくなってしまっているが、痕跡を見るとなかなか凛々しい顔をしていたようだ。
表と裏2枚の貼り合わせで造られている。左手上げで、下地にはキラが入っている。もともと白ではなかったようだ。首玉と耳の先端のみ赤の彩色。首玉には大きな鈴のような隆起が2ヶ所見られる。尾は左側にまいているようだがはっきりしない。

    大きさ 高さ45mm×奥行き19mm×横22mm