=^・^=今戸神社に初詣に行く (平成18年元旦、1月4日、1月8日)
今年も例年通り新年明けと同時に浅草の七福神巡りの初詣に出かけました。東京の下町は七福神巡りがいくつも入り組んでいます。いつも巡っているのは「浅草名所七福神めぐり」です。始めたのは申年だったのでもう15年目になります。最初は七福神めぐりといってもどこの寺社を巡ればよいのかわからず、いつもながらの見切り発車でした。その年は夜中のスタートだったので結局すべてを回りきれませんでした。そのとき初めて購入したのは今戸焼きの干支ではなく今戸神社限定の招き猫でした。
招き猫が縁で七福神めぐりを始めたので、今戸神社をスタート地点にして今戸焼きの干支を買うのが自分なりの例年の約束事になっています。今年は家を出るのがすこし遅れたので今戸神社に着いたのは元旦の0:30を過ぎていました。それが理由ではないと思いますが、昨年より列が短く比較的早く参拝ができました。鷲神社だけはやけに人が多く、鳥居の外まで列がのびています。ここは1組ずつ参拝をしているのでどうしても時間がかかってしまうのです。全体的にはスムースに九寺社をめぐることができました。
ところで今戸神社で「猫雛絵馬」をみつけました。かなり前になくなっていたものです。これは手に入れないといけないので取材を兼ねてもう一度ゆっくり訪問することにしました。
平成18年元旦 やはり夜の雰囲気はまた違うものがある |
平成18年1月8日 |
3日後の1月4日、曇り空でちょっと寒いのですが、訪問することにしました。まだ年が明けてあまりたっていないので参拝者も多く、地元のボランティアと思われる方が旗を持って案内をする七福神めぐりもおこなわれていました。社務所の前の人がとぎれたところでさっそく絵馬について尋ねてみると、猫雛絵馬は要望が強かったので復活したのだそうです。茅の輪にさがっている絵馬はどうも古いバージョンのようです。写真を撮るのに一所懸命になっているうちに絵馬を買うのを忘れて、山谷堀巡りに出かけてしまいました。またもう一度、取材の出直しとなってしまいました。
さて今年3回目の初詣?はさらに4日後の1月8日になりました。まだ観光バスも停まっており、七福神めぐりで笹や御朱印の色紙をもって巡っている方が多いようです。社務所のディスプレーを見ていると禰宜(今まで宮司という用語を使ってきたが、調べてみると今戸神社の場合、禰宜(ねぎ)というのが正しいらしい。いわゆる神主さんです)の奥様が通りかかり、声をかけてくださいました。
「待ってました!」と言わんばかりにいろいろと質問をしました。ここから先は今戸神社ファミリーは今戸神社のHPや「ネコのえんむすび」(後述)でも実名で出ているので、そのまま実名で紹介させて頂きます。
今回お話を伺ってわかったこと
@猫雛絵馬のアイデアは禰宜の奥様の市野恵子さんで、デザインは禰宜であるご主人
A社殿にある大きな張り子の猫はもとは浅草のROXにありバンダナをしていた。伊勢の招き猫まつりにも出張したことがある。
その後、今戸神社向けにリニューアルされた。
B中外陶園製の招き猫は中外陶園のデザイナーが制作(試作?)したもので、会社と今戸神社にしかなく市販はされていないらしい
Cお手伝いの巫女さんと思っていたのは、お二人とも市野さんの娘さんで神職についていた
D今戸神社の社務所にある説明の絵などはほとんど長女の智絵さんがかいているらしい
などなど
石の鳥居は戦前のもの | 茅の輪に指された破魔矢と 絵馬(旧タイプ) |
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今戸神社のシンボル 大型招き猫 | 社務所前は賑わっている | 何と本まで出ていた 犬の手ぬぐいは招き猫金像付き |
おみくじもいろいろとある きっと左のイラストは智絵さんで 右の「恋いみくじ」は 加奈さんの書なのだろう |
招き猫おみくじ | 新作 縁結び木札 |
今年もおみくじなど新作が増えていました。詳しくは今戸神社の公式ホームページを見てください。
社務所玄関先のディスプレーを今年もあがって見せて頂きました。吊し雛の中に繭玉でつくった招き猫があり、娘さんが制作されたということです。吊し雛は夢枕に現れた光景を3日間で制作したものだそうで、制作のいきさつについては「ネコのえんむすび」に詳しく書かれています。
ここでは白井さんのところで制作されている今戸焼きの招き猫全種類と12年分の干支が見られます。
吊し雛と今戸の人形たち | わかるかな?招き猫の吊し雛 | |
中外陶園製の招き猫 右にちょっと見えるのは 茶碗を改造?した 萩焼の招き猫 |
今戸幼稚園の名残 今戸幼稚園のテントは もう使用されていない |
新旧絵馬
今回訪問の目玉です。かつてひな祭りの時につくられた猫雛絵馬が復活しました。平成17年の10月頃に復活したようです。この絵馬のアイデアは恵子さんで、デザインは他の絵馬同様ご主人とのことです。旧猫雛は扇の「寿」の書体が違い、現在の絵馬より板が厚くなっています。現在のものは「成就」の文字が入り、「願いがかなったとき用」(成就絵馬)になっています。かつては白・斑二匹猫の枠なしが「祈願」用、枠付きが「成就」用でした。絵馬をかけるご神木に取り付けられている大絵馬はもとはちゃぶ台を利用(現在のものはちがう)したものなのだそうです。何となく頭の中の古い記憶にあるようなないような・・・。
新タイプ 祈願絵馬 | 新タイプ 成就絵馬 | 旧タイプ ひな祭り版 |
昨年の初詣で社務所で「私がつくりました」と台東区神社マップ(東京都神社庁台東区支部・台東区神社総代連合会・台東区青年神職会 平成17年1月発行)をいただきました。お手伝いの巫女さんと思っていたのが実は娘さんの智絵さんでした。この神社マップのイラストや文字(つまり全部ですね)を描いたのがその市野智絵さんです。神職兼イラストレーターとして活躍され、両手書きの絵がうまいそうで、4分程でベニヤ板大の七福神を書いてしまうそうです。恵子さんが奥から智絵さんが両手で描いたという墨絵を出してきて、見せてくださいました。今戸神社のあちこちにある掲示物のイラストはほとんど描かれているようです。このイラストマップは神社参拝の作法などもイラストでわかりやすく説明されているので参拝前に入手されるとよいでしょう。なお、表紙の絵はそれぞれの神社のイメージやシンボルを表したものでもちろん今戸神社はどれかすぐわかると思います。
智絵さんの妹さんの加奈さんも神職で書道が得意。書に関しては一手に引き受けているようで、当日も社務所の奥で御朱印の色紙に筆を走らせていました。今戸神社の公式HPは加奈さんが中心になって制作しているようです。
台東区神社マップ | 今戸神社の部分 | 神社マップ 地図部分 |
←智絵さん作ステッカー。 いただいてきました! 智絵さん作七福神→ なお、となりの神主像は 絵馬のデザインもされている 恵子さんのご主人作なのだそうだ |
台東ぶらり散歩 其の五 (台東区観光課発行) これは智絵さん作ではないが、 ここでも今戸神社には 招き猫が描かれている。 今戸神社の招き猫は しっかりと定着してきている。 |
こんな本が出ていました。 たぶん昨年の初詣の時もあったのだろうけど、 今戸神社が紹介されている程度にしか思っていなかったので、 よく見ていなかったのだろう。 これを読むと今戸神社にある招き猫や絵馬などのことが よくわかります。 「恋愛成就ネコのえんむすび」 (市野恵子 市野智絵 日本地域社会研究所 2004). |
今でこそ縁結び・招き猫で有名な今戸神社ですが、かつては歴史はあっても無名の神社だったそうです。それを市野ファミリーの心のこもったアイデアとパワフルな行動力で盛り上げて、今や全国区の今戸神社になりました。しかし、まだまだいろいろやりたいことやアイデアはあるようです。
今戸神社のホームページや「ネコのえんむすび」を見たり、直接お話を伺っていると今戸神社の今まで見えなかった面が見えてきます。玄関の吊し雛も、置いてあるテーブルやイスも、いただいた手書きの名刺も、みんな心遣いや優しさがもとにあります。
今回の訪問でこれまでの招き猫ファンから、招き猫を含めた今戸神社のファンになってしまいました。これからも時々訪問してパワーをもらうこととしよう。
ところで、「ネコのえんむすび」にあった恵子さん作詞の「今戸の招き猫」とはどのような曲なのだろうか?得意のウクレレで歌っているのだろうか?
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今戸神社の詳細は 今戸神社公式HP (リンク切れ) 特に「神職姉妹日記」は今戸神社の動向と市野ファミリーの動きがよくわかります